五鍵新章4thMIX&再起を懸けたsubstream
家庭用作品が続々登場する中で、アーケード版ビートマニアは転換期を迎える。
五鍵ビートマニアはcomp1までを一区切りとして、新章として4thMIXが稼働、一方IIDXは1st styleの売上が目標に達しなかったことから、急遽substreamの制作を開始する。
これまでの流れを変えるべく投入された五鍵とIIDXの新バージョン。それぞれの新たな試みと、その結果がどうだったのかを見ていきたい。
ビートマニア第2章!4thMIX
1999年4月26日に稼働したビートマニア4thMIX。1stMIXからcomp1までを1つのシリーズとしてこれを完結させ、楽曲を総入替えして「新章」という扱いになっている。
アーケード版ビートマニア1st~3rdはcompleteMIX発売によりシリーズ完結。新たなビートマニアSTORYの始まりとして謡われた4thMIXは、楽曲からビジュアルまでを一新して登場!
コナミマガジンvol.13
サウンドディレクターにSLAKE氏が就任し、インターフェイス・システムBGM・BGA等が一新。よりコアな雰囲気にイメージチェンジした。
これは、IIDXが登場したことにより、五鍵とIIDXの差別化を図るためだったようだ。
dj nagureo:今回からは、開発初期の選曲や、方向性などのプランや、新しいビーマニ制作スタッフ達のとりまとめ等を行いました。特に、上位機種としての2DXもあり、ビートマニアオリジナルバージョンとして、新たな方向性と、2ndを彷彿とさせる、コアな楽曲で選曲しました。
4thMIX公式サイト
南雲氏:「4th」全体についていえるのは、アクの強い、悪くいえば低俗な曲は入れていないんです。もしかしたら最初はとっつきにくいかもしれませんが、でも聴けば聴くほど、プレイすればするほど味が出るスルメのような曲が揃っている。「RUGGED ASH」はその代表のような曲。
ビートマニアCSオールガイド
雰囲気が一新された4thMIX。サブタイトルは「the beat goes on」。キャッチコピーは「DJ syndrome」。
コア路線は音楽性だけにとどまらない。本作では判定が厳しくGOODやBADが出やすい。その代わりゲージ上昇量が多くなっていることから、クリアはしやすいがスコアが出にくいという特徴があり、ハイスコアを目指すにはより正確な演奏が求められる。
音楽性とゲーム性において、よりコアな方向性を追求した4thMIXだが、一部譜面はかつてない超高難度となっており物議を醸すこととなる。
穴猿襲来!超高難度譜面は必要なのか?
ビートマニアでは作品ごとに最高難度の譜面、いわゆる「ボス曲」がプレイヤーの前に立ちはだかり、そのバージョンを象徴する存在にもなっている。だが4thMIXでは、その「ボス曲」の難度が急上昇している。DRUNK MONKYのアナザーVERSION(通称「穴猿」)である。
3rdMIXのボス曲であるsuper highwayのノーツ数が395だったのに対して、穴猿のノーツ数は681と激増。
4thMIXで穴猿の次にノーツ数が多いのはLOGICAL DASHアナザーVERSIONの467ノーツであることから、穴猿だけが異様に難度が高いことが分かる(いずれもSPの数値)。
穴猿の譜面(かにかにクラブ様より)。大量のノーツがギチギチに詰め込まれており、ハイスピードが無い本作では緑数字1206相当でプレイすることになる(画面サイズが異なるためあくまで参考値)。
前述のように4thMIXではBADが出やすいため、少しでもタイミングがズレるとBADハマリが発生する。譜面密度も後半になるにつれて上昇するためクリアは極めて困難である。なお、4thMIX稼働当時にも、ごく僅かではあるがクリア者は存在していたようだ。
ここまで急激に難度を上昇させたのは、3rdMIXまでの熟練者が簡単に全曲クリアできないようにするためだと考えられる。4thMIX公式サイトでもSLAKE氏が次のように語っている。
4thは選曲がコアだと言われますが、個人的にはまだまだコアにしたい所です。またこれは難しいだろうという曲を楽々クリアするゲーマーには参ります。
ビートマニアCSオールガイド
3rdMIXまでのボス曲は、ある程度練習を重ねればクリアできるようになる水準となっているが、4thMIXの穴猿は、これまで軽々と全曲クリアしてきたプレイヤーでさえ、ほとんどがクリアできないという難度設定となっている。
コアユーザーからの「もっと難しい曲を」という要望をどこまで受け入れるかというのは難しい問題であり、全曲クリアすることを楽しんでいる層にどこまでハードルを突き付けるか、努力しても無理そうだと思われてしまうと練習もしてもらえなくなるというナイーブな問題を持っている。
─音ゲーとしての競技性の方が重視される傾向にあるってことですよね。
OSTER:そうですね。めちゃくちゃ上手い人もいるんですけど、私もいつからかその難しさについていけなくなった部類だから、すごくわかる。私は「beatmania IIDX 12 HAPPY SKY」に収録された「冥」ANOTHERを見て、心が折れた(笑)。
OSTER:それまではたとえクリアできなくても、頑張れば、なんとかギリギリ演奏はできるくらいの曲しかなかったのにね。10年くらい前にそれが出た瞬間、演奏すらできない、何が起こっているのかすらわからない感じになってしまって……絶望を味わいました(笑)。
OSTER project × Hommarju x P*Lightインスト音楽座談会
あまりにも高すぎるハードルで心が折れてしまったというプレイヤーの体験談もある反面、製作者側からは、現状より少し高めのハードルを用意することで乗り越える喜びがあるという発言もある。
「このような譜面を誰が望むのか。誰のための譜面なのか」と問い詰められたVirkatoは、もじもじと「…未来の君のため、かナ…」と答え、場を凍りつかせた。
pop'n20 fantasia「ダージュ/ピアノ協奏曲第1番 “蠍火”」曲コメント
後に、Virkato Wakhmaninov(1873-1974)はこの発言についてこう補足している。
「…未来の君のため、かナ…」はネタじゃなく結構本気だったんだけどね RT @iam_nota_djtaka: 言い換えれは、半歩先を提案していくということですね。今のIIDXでそれをやるのは、かなり難しいでしょうね
— 牛 (@wac_toriaezu) October 25, 2012
「譜面」であることの難しさって「ゲーム」である以上どうしてもあって。「やりづらい」譜面にどんな意味・意義が付与されるか。全て「叩きやすくしました!はいはいどうぞクリアしてください!」て譜面に乗り越えてクリアした時の喜びがあるのかみんながみんな満足なのかというジレンマがある。
— 牛 (@wac_toriaezu) October 25, 2012
「できるようになると楽しい」「できないけど楽しい」「できるけど楽しくない」「できないし楽しくない」の見極めはほんと永遠のテーマだな、と。
— 牛 (@wac_toriaezu) October 25, 2012
これは2012年の発言であり、この当時は既にプレイヤースキルもプレイオプションも進化していた。穴猿が登場したのは1999年(この発言の13年前)であることを考えると、「少し高めのハードル」としては早すぎた感がある。
5thMIX以降の五鍵では、穴猿を超える難度の譜面がしばらくの間登場しなかったことを考えると、あまりに限られた人しかクリアできない譜面は受け入れられなかったということなのだろうか。
4thMIX失速!陰で支えるcomp1
大ヒットした2ndMIXのコア路線に回帰した4thMIXであるが、稼働直後は好調だったものの、翌月から大きくインカムを落としてしまう。
業界誌「アミューズメント産業」のインカムランキングによると、稼働直後の1999年5月中旬は好調なインカムを叩き出したものの、その後急速にインカムが減少。稼働から3ヶ月後の1999年7月中旬には、なんとcomp1にインカムを抜かれてしまっている。
「アミューズメント産業」のインカムランキングより、comp1稼働直後のインカムを100%とした場合のインカム推移。グラフが無い月はランキング圏外。
また、業界誌「コインジャーナル」のインカムランキングでは、全国50店舗を集計対象とした導入店のインカム貢献度ランキングを実施しているが、やはり稼働数ヶ月でインカム順位が急激に下落し、comp1に抜かれている。
「コインジャーナル」の設置店貢献度ランキングより(前掲のグラフと同時期)。全国各地のゲームセンターを集計対象とした調査でも同様の傾向が見られる。
comp1は3rdMIXまでの楽曲を網羅していることから、4thMIXとは補完関係にある。4thMIXが合わなかったプレイヤーに対しても、comp1が用意されていることでビートマニア離れを防ぐことができた。comp1は、4thMIXの挑戦に対する保険にもなっていたのである。
結果的にcomp1は長い間インカムランキングに留まり、五鍵がイメージチェンジする過渡期を支え続けたのだ。
予断を許さぬIIDX、substreamで再起を図る
DDR人気にあやかれ!CLUB version2
一方、インカムが思うように伸びなかったIIDX(1st)は、急遽「バージョン1.5」としてマイナーバージョンアップを施したsubstreamを開発、1999年7月27日に稼働となった。この時のいきさつを、IIDX立ち上げの中心人物の一人dj TAKA氏が語っている。
TAKA氏:IIDXって、実は最初の頃は人気がなくて,けっこう危なかったんですよ。稼働直後は珍しさもあって良かったのですが、五鍵盤(初代beatmaniaシリーズ)との差別化が図れないうちに、あちらの人気が徐々に回復して、立場が危うくなりかけたという。
稼動してすぐに、この状況を何とかしなきゃってことになり、Ver1.5と称して「beatmania IIDX substream」を急遽制作することになって。当時人気の高かったDDRにすがる形で、何とか頑張っていこうと、連動するキットを作ったんですよ。
最新作「beatmania IIDX 20 tricoro」のサウンドディレクター陣に聞く,IIDXシリーズの今昔(4gamer.net)
IIDXとDDR2ndMIXを連結し、同時プレイを可能にする「CLUB version」である。当時、DDRは人気の絶頂期で、ビートマニア最盛期をも超えるインカムを叩き出していた。このDDRとIIDXを接続することで、IIDX側で演奏する音楽でDDR側がダンスする他機種との同時プレイを行うというものである。
substream公式サイトより。IIDX側・DDR2ndMIX側共に2人プレイをすることで、最大4人まで同時プレイが可能。
上記のTAKA氏の発言では、IIDX稼働後に挽回策としてCLUB versionが開発されたように読み取れるが、CLUB versionは1999年2月、初代IIDXが稼働する直前のAOU'99で既に発表されており、1999年4月21日に稼働している。
バージョンアップ版となるCLUB version2が、substreamと同日の1999年7月27日に稼働していることから、実際のところは、既に稼働していたCLUB versionを改良し、substreamと同時にリリースすることでインカム挽回を狙ったということだろう。
このCLUB versionの狙いについては、コインジャーナル誌にてコナミAM機器事業本部・常務取締役本部長の田中富美明氏が語っている。
─2月のAOUエキスポでクラブバージョンを発表されていましたが狙いはどういったものなのでしょう(一部省略)
田中:ビートマニアの最初の流れがあって、その周囲を埋めるためのものなわけで、それの新しいアプローチのひとつです。
─クラブバージョンに対するオペレーターの反応は如何でしょうか。
田中:シビアな部分はあります(中略)導入したからといって劇的にインカムが上がるというものでもありませんので、それは率直な反応だと思います。ですが、このシステムは今までの遊びにプラスαの部分を生み出し、プレイヤーの選択肢を増やすためのものです。遊びを充実させるためにあるわけです。
田中:そういった事情も含めてクラブバージョンは価格の方も低めに設定していますので、色々と試して頂きたいですね。
─他機種間の接続は今後も行われるのでしょうか。
田中:出来るものであれば広げていきたいと思います。ただし、世界観というかシチュエーションが合う商品、合わない商品があります。ビートマニアとギターフリークスをつないでもどうかと思いますし。
コインジャーナル 1999年5月号
CLUB version2では、IIDXとDDRで共通の特殊なゲージが表示される。IIDX部分が赤色・DDR部分が緑色のゲージになっており、両機種の合計値で一本のゲージを構成する。
ゲージは100%スタートの減少式で、当初はIIDX部分50%・DDR部分50%だが、例えばIIDX側がミスして赤色ゲージが30%まで落ち込んだ場合、DDR側で70%まで緑色ゲージを増やすことができるようになっているようだ。
CLUB version2のフレーム。一本のゲージがIIDX部分とDDR部分で構成される。自分のミスで相手側のゲージが減少することは無いが、相手側の減少分をサポートすることはできる(画像は2nd styleのCLUB ver.)。
IIDX・DDRのゲージが両方とも無くなってしまうとシャッターが閉まり強制終了してしまう。なお、どちらかのゲージが0%になってしまっても、相手側がゲージを残してクリアすれば両機種ともクリア扱いとなる。
ちなみに、この時代のIIDXは、EXPERT以外で演奏が強制終了するケースは無く、EXPERTの強制終了演出は画面がフェードアウトする。
HARDゲージや、シャッターが閉まるいわゆる「閉店演出」は6th styleで導入されるため、この時代にIIDXでシャッター式の閉店演出が見られるのはCLUB versionだけである。
CLUB version2で両プレイヤーのゲージが0になってしまった際の閉店演出。DDR2ndMIXと同じ閉店音が鳴る。
CLUB version2で遊ぶことで、DDR側ではIIDXの楽曲がプレイできるというメリットがある。また、IIDX側は楽曲の決定権があることと、ゲージの共有によりクリアが容易になるというメリットがあるが、DDR側ほど大きなメリットが無い。
当時はDDRプレイヤーと比べてIIDXプレイヤーの方が非常に少なく、DDR側でIIDXの楽曲を遊びたい場合、IIDXプレイヤーを募集するケースが多かったものと思われる。
IIDXプレイヤーがいない場合は、DDRプレイヤー同士でIIDX側を分担する必要に迫られるため、この仕様はDDRプレイヤーをIIDXに誘導する狙いが強く感じられる。
gentle stress登場!少ないながらも存在感を放つ新曲
本来2nd styleを制作する予定だったところ、インカムが思うように伸びず、急遽制作する必要に迫られたsubstream。新曲11曲のうち、7曲が五鍵とDDRからの移植であったことからも、時間が無い中で制作していた様子が見て取れる。
版権曲は「ちょっときいてな (ZANSHIN-NA MIX)」のみ。substream書下ろしのコナミオリジナル曲は僅か3曲だった。しかし、この数少ないオリジナル曲からIIDXの再起への道が開かれていくことになる。
THE EARTH LIGHT/L.E.D LIGHT
ビートマニアのトランスといえばこの人、L.E.D LIGHTのsubstream書き下ろし曲。実は彼に「substreamがやばいよー」と泣きついて、作ってもらったんだ。
VJ GYOの映像ともマッチして、かなりトランシーな世界が表現されているよね。
beatmania*maniac-tracks ブックレット(dj TAKAによるライナーノーツ)
当時、L.E.D.氏はKCEJ所属の家庭用ビートマニアスタッフであり、アーケードとは別部署だったが、dj TAKAが懇願して楽曲を依頼しており当時の苦労が偲ばれる。
この楽曲は非常に好評だったのか、1年半後に発売されるKCEJの作品「Z.O.E -ZONE OF THE ENDERS-」でもCITY1エリアのBGMで使用されている。
そして、この楽曲のムービーで登場したキャラクターは、2nd styleで「トラン」と命名され、IIDXの象徴的なキャラクターとなっていく。
「THE EARTH LIGHT」にて、おかげさまで各方面から思いのほか反響のありました、宇宙人のお子ちゃま(娘)ムービーですが、一発ものにしてはもったいないと(中略)
さて、このお子ちゃまですが、トランス専門に登場するので、名前はトランでいいかなぁーなんて思ってましたが(超安易)、その他は詳細不明という設定です(って言うか何も考えてない)。
2nd style公式サイト Indigo Vision曲コメント(VJ Gyo氏)
THE EARTH LIGHTのムービーで初登場するトラン。当時はキャラクター名は無かった。
gentle stress/DJ Swan
この曲がなければ、substreamはダメだったかも知れない、と思えるほどの人気を誇ったGentle stress。
ゲーム譜面はオレが作ったんだけど、多くの人にプレイしてもらって、大変うれしいです。
beatmania*maniac-tracks ブックレット(dj TAKAによるライナーノーツ)
「IIDXを救った名曲」として有名なgentle stressだが、ソースはこのライナーノーツだと思われる。中級者向けの程よい難度と演奏感から多くのプレイヤーが上達への足掛かりとした楽曲である。
お手本はフライヤー!キャッチーなビジュアル
substreamはビジュアル面でも他機種に埋没しないように差別化を図るべく、新たな試みが行われた。
これまでのビーマニシリーズに無い新しいビジュアルとして「フライヤー」をイメージした路線を模索。キャラクターを中心に据えたデザインを行うこととなった。そして、そのキャラクターイラストは、IIDXチームに投入された期待の新人GOLI氏が手掛けることとなった。
当初、IIDXが発表された頃に比べ、BEMANIシリーズの種類も増え、beatmania IIDXとしてのカラーを従来とは違った切り口で思いっきり打ち出さないと、イメージ的に埋もれてしまうのでは・・・という不安がありました。
「キャッチーさ」、それも「クラブカルチャー」テイストで新しいビジュアルの呈示を求めようと考えていた訳ですが、意外と簡単にもその答えは見つかりました。それは「フライヤー」。
そこでは、グラフィックデザイン上、キャラクターイラストを中心に構成されている場合が少なくありません。
そんな時に、この計画(?)を遂行するに最適な男が送り込まれてきました。その名は、GOLI。
2nd style公式サイト FROM DESIGNERS(VJ GYO)
このコメントは2nd style時代のものだが、substreamからGOLI氏のイラストが様々なシーンに登場している。
上はIIDX1stの選曲画面(4KEYS)、下はsubstreamの選曲画面(7KEYS)。GOLI氏の参加により背景がフライヤー調のイラストとなり雰囲気が大きく変わった。
substream稼働!その結果は…
苦戦するIIDXを救うべく、DDRとの連動・家庭用スタッフからの助力・ビジュアルの刷新など、短期間で手を尽くしたsubstream。GOLI氏が「皆で徹夜して頑張って作った」と語る本作だが、稼働後インカム面ではどうだったのか。
業界紙「コインジャーナル」のインカムランキング(設置店貢献度)を見てみよう。
コインジャーナル誌のインカムランキングにおける五鍵のインカムとの対比。青い五鍵のグラフはcomp1と4thMIXの数値が高い方を採用している。1999年8月分からsubstreamが稼働したが依然として厳しい状況が伺える。
substreamのリリースにより、インカムの減少傾向には歯止めがかかったものの、依然として五鍵と比べても低迷していると言わざるを得ないIIDX。
そして、substreamは短い稼働期間を終え、2nd styleが稼働することになる。
substreamという微妙な立場
余談だが、substreamは1st styleのマイナーアップデート版であるが故に、IIDXシリーズ内での扱いが定まっていないところがある。
TAKA氏の発言では当時の話で「バージョン1.5」扱いとしているが、9th style以降に実装されたバージョンフォルダでは1st styleとは別にsubstreamのフォルダが存在する。
ところが、IIDX17 SIRIUSの特殊フォルダ「PARALLEL ROTATION DJ TROOPERS」の出現条件「各バージョン5譜面ずつプレイ」では、1st styleとsubstreamは同一バージョン扱いになり、合算して判定される。
そうかと思えば、アーケード版で各バージョンをプレイすると獲得できるトランメダル(「1st H譜面初プレー」等)については、substreamのトランメダルは存在しない(substreamフォルダの楽曲をプレイしても、バージョン別トランメダルは入手できない)。
「beatmania IIDX生誕20周年記念サイト」ではsubstreamも独立したバージョンとしてしっかり紹介されている。
また、1st styleとsubstreamではDPのフレームが若干異なっている。1st styleはフレームに「expert only」と刻まれており、substreamはこの部分が「sub stream」に変更されている。スコア欄についても1st styleは20万点スコアだが、substreamはEXスコアが表示される(2nd styleも同様)。
1st styleのDP用フレーム。1st style時代の料金設定で1プレイ2クレ投入するDPは正に"expert only"なモードであった。
こちらはsubstreamのDP用フレーム。"expert only"ではなくなっている。スコア欄の桁数は20万点スコア分あるが、表示されるのはEXスコアになっている。やはり"expert only"ということなのだろうか?
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- 初代五鍵や初代IIDXのロケテ版を目撃orプレイした方
- ビーマニ関連を扱った一般雑誌・テレビ番組等をご存知の方