FURIMUKI style
1999.9

ハイスピードで限界を超えろ!
5thMIX&2nd style

2021年3月13日

 イメージチェンジを図るもインカムを大きく落としてしまった五鍵4thMIX、インカム回復という使命を果たすことができなかったsubstream。

 厳しい状況が続く中で、ビートマニアシリーズの存続を懸けて1999年9月に五鍵5thMIXとIIDX 2ndstyleが稼働した。この2作品はどのように制作されたのだろうか。

またも方向転換?5thMIX

 1999年9月22日に稼働した5thMIXは、4thMIXの収録曲の大半を引き続き収録しつつ、新たな試みとして東芝EMIが手掛けるダンスミュージックのアルバム「Dancemania」から洋楽7曲を収録している。

 コナミと東芝EMIは、既にDDRで楽曲収録やサントラ発売等で提携している実績があるため、この成功事例を踏まえてビートマニアにもDancemania楽曲を導入したものと思われる。

日経産業新聞1998年11月13日より東芝EMIとの提携記事。なお、5thMIXのサウンドトラックはコナミとINTERCORD JAPAN(東芝EMIのレーベル)で共同制作している。

 Dancemaniaは洋楽ダンスミュージックを中心としたコンピレーションアルバムである。4thMIXではサウンドディレクターのSLAKE氏が「もっとコアな方向へ」という方針を打ち出していたが、5thMIXではPOPな方向へ軌道修正をしている。

 4thMIXはインカム面では低調に推移していたため、収録曲の方向性を変えることでインカム回復を図ったものと考えられる。5thMIXサウンドトラックでもSLAKE氏が「POPな方向性で誰でも楽しめるように」「ヘヴィーユーザー向けの楽曲も収録」と語っており、バランスの良い方向性を意識しているようだ。

beatmania 5th MIXは今までの流れをちょこっとPOPな方にシフトしました。コンピレーションの老舗シリーズDancemaniaの楽曲を使用して、誰でも楽しめるようなゲーム性をめざしました。

beatmaniaの流れの中でのイケイケ度はかなり高めなので、馬鹿騒ぎパーティーのりで楽しんでくれると嬉しいです。

しかし、ヘヴィーユーザーからちょっと物足りない、もっとヤバめのトラックはないのか。と言わせないために、全宇宙一のウルトラスクラッチマスターMIX MASTER MIKEにお願いして、激ヤバスクラッチ攻撃を浴びせてもらいました。

5thMIXサウンドトラック ブックレット(takehiko fujii)
ALL PROきたかー
ALL PROといえば忘れちゃいけないのがファミ通譜面

ALL PROファミ通譜面

 ゲーム雑誌でのビートマニアの扱いは、3rdMIXまではスクープとして大々的に取り上げられていたものの、comp1~4thMIX以降は楽曲が入れ替わった以外に特段の目新しい要素が無かったからか、新作を扱う記事は小さくなっていた

そういえば、ビートマニア初期にこぞって特集してたゲーメストやベーマガはどうしちゃったの?
ゲーメストは出版会社が倒産して廃刊。ベーマガは1999年5月頃からアーケードゲームコーナーをやめてしまっているね
アーケードに強い雑誌が退場か…

 そんな中、ファミ通1999年7月30日号に5thMIXの稼働前情報が掲載され衝撃が走った。

 開発中の画面写真の中に穴猿の再来を予感させる超絶譜面が掲載されていたのだ。楽曲名は「ALL PRO」。通称「ALL PROファミ通譜面」である。

ファミ通1999年7月30日号より。ここまで大量のスクラッチが配置された譜面は前例がなく、プレイヤーの度肝を抜いた。製品版ではかなりマイルドな譜面に変更されている。

 4thMIXで穴猿という超高難度譜面を実装した前例があり、「ALL PRO」というボス曲を彷彿とさせる曲名から、プレイヤーの間ではこの譜面が実装されるものと信じられていたが、実際はかなりノーツが削られた譜面が採用された。このような経緯から、インパクトの大きい譜面であったため、一部では「幻の譜面」として記憶されている。

 公式サイトでのSLAKE氏のコメントによると、どうやらALL PROの譜面は、MIX MASTER MIKE氏のスクラッチテクニックを再現したいという意図があったようだが、何らかの理由で譜面が大きく変わってしまったようだ。

個人的にはMIX MASTER MIKEのゲーム化には苦労しました。ターンテーブリストがやっていることを忠実にゲームにしたのは、世界初だったりして?(地味ですが)

5thMIX公式サイト(sound designer fujii)

ALL PROファミ通譜面をBPM92でシミュレートしたもの(注:ノーツの配置に若干のズレがあります)。

MIX MASTER MIKE氏は今も現役でDJやってるから、検索すると超絶スクラッチ動画が出てくるよ
アメリカは、かまぼこ工場もスケールが違うなぁ!

幻の楽曲ロゴを発掘

 ザ・プレイステーション1999年12月3日号のアーケードゲーム情報コーナーにも5thMIXの記事が掲載されている。この記事では5thMIXを「シリーズ円熟期を迎えた」と評しており、掲載写真の中には貴重な開発中の画面も含まれている。

ザ・プレイステーション1999年12月3日号。5thMIX単体ではなく、ビーマニシリーズ全般の最新情報が扱われている。ラップフリークスも元気に開発中のようだ。

ラップフリークス…
ちょっと待って!この写真の下の方にある選曲画面はもしや…
幻の曲名ロゴ付きバージョンだね

 前作4thMIXでは、選曲画面に表示される楽曲名にそれぞれタイトルロゴが用意されていた。5thMIXでも当初同様に曲タイトルロゴが作られていたが、容量の都合上採用されなかったという経緯があり、公式サイトにその経緯が書かれている。

 上の記事で使われている選曲画面の画像は、まだロゴが使用されていた開発段階の貴重な画像である。

5thMIX公式サイトに掲載されている没タイトルロゴ案。ロケテ版まではこのロゴが使われていたらしい。

一部の方は何となく見覚えがおありかと。実は5thもロケテストまでは4thのように各曲にタイトルロゴを作ってあったのですよ。

でもキャラ容量をあまりに占めてしまい、いろいろとデータのつめ方とか努力して残そうと粘ったのですが、結局、全体のうちのわずかな時間しか現れないタイトルより、ムービーのパターンがひとつでも増えた方が全体のためになるのではないか、と言う考えに至ってタイトル君たちにはお蔵に入ってもらったのです。

5thMIX公式サイト
ん?このDO IT ALL NIGHTのロゴ、公式サイトの没ロゴとも違うじゃん!!
幻の曲名ロゴの幻バージョンきたか…

 5thMIXの開発中バージョンの選曲画面は製品版と異なり、画面右側の曲リストが存在していない

 レコード盤の配置も、4thMIXのように選曲中のレコード盤が大きく表示されるわけではなく、3rdMIXまでのような配置で、背景等のインターフェイスは4thMIX準拠になっている。3rdMIXと4thMIXを融合させたような選曲画面といえるだろう。

開発中5thMIX選曲画面。DO IT ALL NIGHTのロゴは公式サイトに掲載された没ロゴとも異なる。アーティスト名の「TOCP-XXXX」はダンスマニアのCD商品番号を仮置きしたものと思われる。

起死回生となるか?IIDX 2ndstyle稼働

 5thMIX稼働の8日後、1999年9月30日にIIDX 2ndstyleが稼働した。substreamに続きメインイラストをGOLI氏が手掛け、サウンドディレクターはdj TAKA氏、チーフビジュアルデザイナーはVJ GYO氏、キー音や譜面の制作をucchie氏(Mr.T氏)が担当している。

 substreamに引き続き、DDR2ndとのclub version2に対応。オプションも、ほぼ同時期に稼働した五鍵5thMIXと同様にHI-SPEEDとSUDDENを搭載しており、substreamで下げ止まったインカムの回復を目指す。

2ndstyleのポスター。試し描きのイラストがそのまま採用されたという。イラストのキャラクターは後にユーズ(YUZ)、ナイア(NYAH)と命名された。

ナイア?
どう見てもナイアでしょ!

2ndstyleのイラスト(赤枠内)ではYUZの服とNYAHの肩の文字が「5061」「61」となっているが、R∞tAgeのレイヤーでは「ROOTS」「26」に描き直されている。

 楽曲面ではTaQ氏が参加。版権曲も従来のm-floに加えて、doubleやSILVA、Dr. Bombayなどの楽曲を収録。幅広いジャンルを収録しながらも基本はクラブ・ダンスミュージックという、ビートマニアIIDXらしさを確立していく。

beatmania IIDX 2ndstyleでは、収録曲の選曲や作曲において、今まで掴みそうで掴みきれなかった、「IIDXらしさ」をとことん追究してみた。7つの鍵盤をフルに生かし、ハイファイなサウンド特性を生かせる音楽ジャンルを模索し、オレはひとつの結論に達したんだ、チェゲラ。

それは、ノリがよくダンサブルでありながら、テクノに比べてうわもの系がメロディアスで、更にはキーの操作感が、タテの連打よりも横に広がっていくハウス系の音楽こそ、IIDXならではの「らしさ」を引き出せるのでは、というものなんだ。

IIDX 2ndstyle公式サイト(dj TAKA)

 後に、BEMANI生放送(仮)第51回(2014年9月17日配信)のRyu☆×dj TAKA対談では、当時を振り返り、2nd styleのボス曲である「.59」の譜面を例示して、IIDX譜面傾向が「横に広がる感じの譜面」や「乱打譜面」に変わっていったこと、それにより「譜面を見て叩く」のではなく「反射で叩く」ことによる没入感が生まれたことを挙げている。

BEMANI生放送(仮)第51回(外部サイト)。IIDX黎明期のエピソードについてRyu☆氏とTAKA氏が対談している。

Ryu☆:当時(IIDXは)五鍵の延長線上みたいな感じの譜面の作りが多かったんですけど、結構TAKAさんが思いっきり変え始めたというか…

TAKA:よく知ってますねぇ~(笑)

TAKA:(.59の頃は)先に譜面をどうするかというのが今よりも強かったと思う。

Ryu☆:(当時の公式サイトに)TAKAさんが、IIDXは五鍵に比べて横に広いから、横に広がる感じの譜面が良いと。今でいう乱打がいいという感じで書かれていて「.59」には衝撃を受けましたね。

Ryu☆:ビートマニアの鍵盤って、1鍵が低い音、7鍵が高い音に合わせると違和感が無いというのが五鍵の頃はあったけれど、TAKAさんが、そのルールを「面白ければいい」と楽しい方向に持って行ったのがすごい衝撃でした。乱打(譜面)で、音階ではなくて、叩きやすさやリズムの部分を重視していて、これはヤバイと思って…

TAKA:その辺はちゃんと考えてましたよ。

Ryu☆:あの時に何が起きたかというと「反射で叩く」っていうのが更に没入感が生まれて、「目で見て、これで1鍵叩こう」というのではなく、(反射的に)自然と行くんで、物凄い脳内麻薬がドバーっと出て気持ちがよくて延々とやってた覚えがあります。

BEMANI生放送(仮)第51回より書き起こし
Ryu☆の知識量ハンパないな…
さすが「丸型ノーツ時代の五鍵」を知る男だけある!

 「.59」の曲コメントでも、譜面の横の広がりを意識して作った楽曲と語っており、IIDXの7レーンを活用した譜面作りについてしっかりと取り組んだ結果、プレイして気持ち良いという評価につながったのではないかと考えられる。

ゲーム的に、タテの連打にならないようなテクノを、といろいろ考えたオレなりの答えがこの「.59」。このゲーム性はIIDXなら(では)でしょう。

IIDX 2ndstyle公式サイト(曲コメント「.59」)
多彩な楽曲だけでなく、譜面構成まで考え抜かれた2ndstyle。これはインカムも期待できそうだな!

 また、ゲーメストの後継誌「アルカディア」2号では、2ndstyleの攻略記事を掲載しており、欄外の「ゲー事典」にて、判定について「規則正しい配置でもノリに合わせて押すとGREATが出る」と説明されている。

 五鍵のように、同じ曲でも場所によって判定が異なる仕様なのだろうか。

「2ndstyle」では、一見規則正しい配置でも、「曲のノリに合わせて押すとGREATが出る」ように微調整されているらしい。目押しシューティングじゃスコアは伸びないぞ。

アルカディア2号
この書き方だと、見た目と判定がズレてるということになるけど果たして…

HI-SPEEDオプションを逆手にとれ

 五鍵5thMIXとIIDX 2ndstyleには、新モードとして「HI-SPEED」と「SUDDEN」が実装されている。それぞれ「楽曲のBPMはそのままにノーツの落下速度を2倍にする」「ノーツの出現位置を下げる」というオプションであり、当初はプレイ難度を上げるモードとして実装された

IIDX 2ndstyleのオペレーター向けチラシ裏面。HI-SPEEDモードについて「息もつかせぬスリルと興奮」と書かれており、当初は難化オプションとして実装したことが分かる。

※オペレーター向けチラシはゲームスポットアップル様より情報提供いただきました。

譜面の落下速度が速くなるほど難しくなると考えられていた時代
君ビートマニア上手いんだって?一番速い曲やってみてよ!

 HI-SPEEDモードは隠し要素ではなく、稼働当初からオープンにされていた新要素であった。そして稼働直後、実際にHI-SPEEDモードを使用したプレイヤーは、ある現象に気付く

あれっ?ハイスピードモードにすると判定が緩くなってるような?判定幅も2倍になってるのか?
そんなわけないでしょ…うわっ、なんかすごいスコア出た!
よく分かんないけどハイスピ付けると判定が甘くなるみたいだぞ!のりこめー!!

 噂はネット掲示板を通じて広まり、実際にハイスピを使用したらスコアが伸びたという報告が相次いだ。稼働直後の1999年10月13日にスタートしたインターネットランキング#1の最終結果によると、ランキング上位者の半数以上がハイスピを使用しており、ハイスピを逆手に取った戦法はインターネットを通じて急速に広まっていたことが分かる。

稼働直後の10/13~11/14に開催されたインターネットランキング#1(MELODIC MIXコース)では上位30名のうち19名がハイスピードを使用している。ハイスピを使用した攻略法はこの時点でかなり浸透していたようだ。

 なお、5thMIXのHELL SCAPERは最大BPM200だが、スタッフのイタズラによりデフォルトでハイスピードがかかっていることから、ハイスピードモードにした場合4倍速となってしまう。これは緑数字219相当(IIDXと画面サイズが異なるため参考値)であり、プレイが困難になってしまうことから、同曲が含まれているEXPERTコースだけはハイスピ使用率が低くなっている。

なぜ、BPM240のクリムゾンよりBPM190のガバのほうが早くバーが下がってくるのでしょうか?

開発中にちょっとイタズラしてみたら面白かったんで、そのままになってしまいました。あまり深い理由はないです。(maruf)

5thMIX公式サイトQ&Aコーナー
この時代のハイスピはタイトル画面で設定するので、ゲーム途中で変更することはできないよ

 当初「息もつかせぬスリルと興奮」を与える目的で実装されたHI-SPEEDモードは、プレイヤーの間ではスコアを伸ばすための武器として使用されることとなった。現在では周知の事実であるが、ハイスピは譜面を見やすくする効果もあるため、4thMIXでほとんどのプレイヤーがクリアできなかった穴猿を、ハイスピを使用して攻略する者達が現れ始める

敵の技術を転用して自軍の最終兵器にするのはシューティングゲームのお約束だからね

5曲目が穴猿となっているEXPERT(ANOTHERコース)では上位30名のうち27名がハイスピを使用。コメント欄に書かれている穴猿クリア状況から察するに、上位65名前後がEXPERTゲージで穴猿をクリアしていると思われる。

 4thMIXの段階で穴猿を突破した人数はサイトが現存していないため確認不能だが、5thMIXでハイスピが導入されたことにより、突破者は格段に増えたものと思われる。

 また、5thMIXではSUDDENモードも新登場している。こちらも、後にタオルやSUD+(白数字)として活用されることになるが、5thMIX時点ではSUDDENを使用してスコアを残しているプレイヤーはほとんどいなかったようだ。

公式がハイスピ推奨?処理落ちとの戦い

 難化オプションとして導入されたHI-SPEEDモードであるが、5thMIX公式サイトのスタッフコメントでは、HI-SPEEDモードの意外な活用方法を紹介している。

結構無理してバトル出来る曲を増やしたので、若干スローかかり気味です。その手の曲はHI-SPEEDモードを使用してもらえるとだいぶ解消されるようです。all proとかオブジェが多くてBPMが遅めの曲に効果的です。

5thMIX公式サイト
これは…どういうこと?
「処理落ち回避にハイスピを活用して下さい」って意味であって、譜面が見やすくなるという話ではないね

 5thMIXはハードウェアの処理能力の限界ギリギリまで使用しているようで、BATTLEモードなどで一画面に多数のノーツが表示されると処理落ちを起こしてしまう。穴猿など極端に密度の高い譜面は元々BATTLE使用不可となっているが、それ以外の楽曲は、多少の処理落ちを起こしても極力BATTLEモードを使用できるようにしている。

 その際、HI-SPEEDモードを活用することで、一画面に出現するノーツを減らし、処理落ちを回避することを勧めているのである。BPMの遅い曲は表示されるノーツの密度が上がるため、HI-SPEEDが処理落ち対策として有効…ということである。

 ALL PROのファミ通譜面が採用されなかったのは、低BPMで大量のノーツが一画面に表示されることによる処理落ちが原因だったのかもしれない。

MIX MASTER MIKEの超絶スクラッチを落とし込むってコンセプトなら、ファミ通譜面が本来あるべき姿だったんだろうね
処理落ちさえ無ければチェッキンに先駆けて「元祖皿曲」を名乗ることができたかもしれないのに…
5thMIXでは他にも処理落ち対策で涙ぐましい努力をしているよ

BATTLE PLAY時には、音符が多すぎて基板の処理能力を超えてしまう時がたまにあります。その時には、GREAT、GOODなどの判定と音を出す処理、音符をスクロールさせる処理を最優先で行うために、真中のアニメや、判定結果などの表示関係の処理を省略して無理矢理間に合わせています

従って、見かけ上多少ガタ付いていても、判定や点数計算は正確に行われていますのでご安心を。

5thMIX公式サイト

 処理落ちが起こりそうになると判定文字やBGAを消して対処しているのである。五鍵ビートマニアの基板は、1stMIXの時点で既に数年前の型落ち基板を使用していることから、4thMIXあたりから様々な弊害が発生している

 4thMIXでは、PARANOiA MAXやGOTTAMIXの楽曲をフルサイズで収録できず尺を短くしている。5thMIXでも楽曲別ロゴを容量の都合で削除したり、上記のような限界ギリギリの処理落ち対策を施す等の苦労が伺える。

 末期の五鍵に仕込まれた「WE NEED MORE HIGH SPEC」のメッセージは有名だが、この段階で既に処理能力の限界に近づいていたのである。

曲のロゴ画像入れると容量オーバーとかファミコン時代みたいなこと言ってると思ったら旧世代基板なのか…
DJMAIN基板のクロック周波数は、最大25MHzなのを8MHzにしてるらしい。PS1の4分の1、メガドライブに毛が生えた程度の性能
THE FINALまでずっとこの基板か。そりゃ処理落ちするでしょ…
そもそもヒットしてシリーズ化するなんて予想してなかったから旧式の基板で作っちゃったんだろうね

インカムは好転したのか?

 コア路線からPOP路線に転換した5thMIX、GOLI氏によるビジュアル刷新と新曲追加で順当な進化を遂げたIIDX 2ndstyle。1999年9月下旬に稼働した両作品は、前作までのインカム不振を挽回。稼働後も大きくインカムを落とすことなく安定的に推移させることに成功した。

コインジャーナル(現在のアミューズメントジャーナル)のインカムランキング「設置店貢献度」より。五鍵・IIDX共に前作より高インカムかつ安定推移していることが分かる。

やはりコア路線ではなく、収録曲のバリエーションを豊富にした方が、良い結果が出るのかー

 IIDX 2ndstyleの段階で、IIDXが五鍵のインカムを上回るようになり、IIDXをメインでプレイするユーザーが増加。IIDXは安定軌道に乗ったと言える

 公式サイトでもエグゼクティブディレクターのHIGU氏がIIDX 2ndstyleのスタッフを評価し、「この製作チームに任せておけばIIDXは安泰」と断言している。

前バージョンでもかなりクオリティーが向上したと思っていましたが、2ndstyleは前作を上回る製品になったと自負しています。しかも、短期間で・・・、優秀な制作チームに恵まれて幸せ?

この制作チームに任しておけば、IIDXは安泰、安泰。さあ、みんな次機種制作をはじめるよ!

IIDX 2ndstyle公式サイト(HIGU)
KAGE×dj TAKA×VJ GYO×GOLI体制でIIDXは安泰!よかったよかったー

 五鍵5thMIXとIIDX 2ndstyleは、プレイヤーのニーズを捉えた幅広い楽曲ラインナップを揃えることができたことが成功の要因であったと思われる。また、HI-SPEEDモードを実装したことにより、譜面の視認性改善だけでなく、「反射で叩くことによる没入感」など、プレイ感の変化もユーザーに受け入れられたのではないかと思われる。

「今までクリアできなかった曲が、ハイスピかけたらクリアできるようになって楽しめるようになった」ってプレイヤーもいそう
それじゃあ、最後に「ALL PROファミ通譜面」にハイスピをかけたらどうなるか見てみよう!

ALL PROファミ通譜面をHI-SPEEDモードでシミュレートしたもの(注:ノーツの配置に若干のズレがあります)。

あれっ、思ったより大したことないぞ…?
意外といけそうだなぁ
イヤイヤ、十分難シイダロ…


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