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1999/05CS作品続々登場。ナハナハvsガチョーンバトルを作った男たち

 1999年春。初代IIDXが苦戦するなど、アーケードでの音ゲーブームが一段落していく一方で、家庭用作品が相次いで発表された。

 五鍵ビートマニアは1998年末にAPPEND 3rdMIXを発売しており、1999年前半も家庭用オリジナル作品であるGOTTAMIXを筆頭に、ゲームボーイやワンダースワンへの移植を立て続けにリリース。

 家庭用作品については、当時のゲーム専門誌が注目していたのはもちろんのこと、音楽専門誌でも独自の切り口で紹介されていた。時系列的には多少前後するが、今回は家庭用3rdMIX~GOTTAMIX時代のコンシュマー作品を見ていきたい

もうひとつの3rdMIX mini

 アーケード版3rdMIXにはコンパクト版の3rdMIX miniが存在するが(以前の記事参照)、家庭用3rdMIXにも3rdMIX miniが存在する。アーケード版3rdMIXのサントラ(1998年11月27日発売)に付属している「APPEND3rdMIX mini」である。

この3rdMIXサントラにPS1用アペンドディスクが付属している。当然ながらアペンドディスク単体は非売品である。

 本ソフトは家庭用3rdMIXの体験版であり、3rdMIX新曲のうち5曲が収録されている。フレームやノーツの形状は2ndMIX準拠のため、スクラッチオブジェは3rdMIXの極太仕様ではない。また、BGAも2ndMIXの素材を使った独自の物になっている。

新曲のうち3分の1が収録されてるとか大盤振る舞いだな!
当時のプレイヤーならサントラ買った人は多いから、そんなにレアな物ではない気がするけど

タイトル画面もちゃんとmini版が用意されている。なお、スタッフロールには誰の名前も流れず「PRODUCED BY KONAMI」としか表示されない。

ゲーム誌が指摘する3rdMIXの音楽性

 1998年12月23日に発売されたPS1版beatmania APPEND 3rdMIX。各ゲーム雑誌では、早くも発売された続編を取り上げているが、その中でも「ザ・プレイステーション」1999年1月22・29日号の記事では、新曲の羅列だけではなく、3rdMIX収録曲の音楽性の変化について指摘している内容となっている。

ザ・プレイステーション1999年1月22・29日号。3rdMIXの特徴として「日本語ボーカル」「ノンジャンル化」を挙げている

”親しみやすい(日本語の)歌モノ”と”最先端のクラブミュージック”といった二極化する音楽ジャンルを内包しつつ、前作とは違う新たな音楽の方向性を打ち出した

「~3rdMIX」に収録されている音楽はあまりにジャンルがバラバラで、ある意味「節操がない」

前2作の流れから、3作目はよりコアな方向性に行くのではと思われていたが、実際に我々の前に現れた「~3rdMIX」は、よりノンジャンル化が進んだ作品となっていたのである。

この理由は、ひとえに「beatmania」シリーズがもはや”DJシミュレーション”というパーティーゲームの枠を跳び越え、”人々が集う場を盛り上げるための音楽ツール”として進化しているため、と考えられる。

ザ・プレイステーション 1999年1月22・29日号
3rdMIXの時点でこの考察に辿り着いているザ・プレ編集部

 一方で、製作者サイドは3rdMIXの音楽的な路線についてどのように考えていたのだろうか。「ビートマニア プレスミックス」の開発者インタビューにその手掛かりとなるインタビューが掲載されていた。

HIRO氏:「3rd」はあえて冒険的に、ユーロビートやJ-ダンスポップを入れてみました。これも単純にライトユーザーに迎合したというよりは、「beatmania」の実験のひとつです。

南雲氏:ユーロビートは、ホームページで「実は『2nd』の隠し曲にユーロビートが入ってる」というウワサがありまして、そういった声に答えるべく作ったんですけれど。

水木氏:それが成功しているかどうかは別として

南雲氏:別として(笑)

ビートマニア プレスミックス
「成功しているかどうかは別として」ってどういうこと?
ユーロビートやJ-ダンスポップの是非は当時物議を醸してたからねぇ…

南雲氏:インターネットの書き込みはスタッフ全員が見てます。「EURO BEATを入れろ!」とか「EURO BEATなんか入れやがって!」とか(笑)。

ビートマニアCSオールガイド

 3rdMIX収録曲の中でもユーロビート「LUV TO ME」と、J-ダンスポップ「BELIEVE AGAIN [HYPER MEGA MIX]」は、「beatmaniaらしくない」という批判の声もあった。

 上記インタビューでも冒険的に取り入れたと語られている2曲だが、「ザ・プレイステーション」のPS USERS' CHARTでは「日本語の歌詞があって親しみやすかった」という意見もあり、賛否両論だったといえる。

ザ・プレイステーション1999年2月12日号。様々なジャンルを収録したことでプレイヤーの幅が広がるというメリットもあったと思われる。

2ndMIXのtokaiはラップだったから意識されなかったのか?!
Believe againは当初「ビートマニアの世界観と違う」って作り直したってエピソードもあるよね

 社内の者に書かせたら、希望したものとは解釈が違う物ができあがってきまして(笑)。80年代ジャパニーズポップになってしまったんですね。「ちょっと「beatmania」の世界観とは違うだろう」ということで、僕がリミックスしました。

 開発スケジュールが押しせまっていたので、8時間くらいでヴォーカルセクションだけ全部作り直しました。だから、フューチャリングdj nagureoということになっているんです。(dj nagureo)

ビートマニア プレスミックス Believe againの楽曲紹介
作り直す前の原曲が、3rdMIX隠し曲の「80'S J-POP」の方だね
直前で作り直したけど、結局は当時物議を醸してしまったのかぁ…
硬派厨は…太古の昔より…遥かなる未来まで!戦いの火ダネとなるものッ!それは人間が存在する限り永遠に続く『感情』なのだ…

家庭用タイトル続々登場!CS主要メンバーが集結

beatmania APPEND GOTTAMIX

 昨年10月にPS1用ソフトとして発売され、ミリオンヒットとなった家庭用beatmania(2nd+Yebisu)、12月に発売されたAPPEND 3rdMIXに続き、1999年5月27日にはAPPEND GOTTAMIXが発売

 GOTTAMIXは収録曲の大半が家庭用オリジナル楽曲という扱いになっており、外注アーティストも多数参加している。今作で参加した外注アーティストの中でも、GUHROOVY氏は以後も継続的に楽曲提供を続けていくことになる。

 制作は前作に引き続き、小島秀夫氏のKCEジャパンが担当していることから、サウンドオーガナイザは藤後氏が続投。今作から社内制作の楽曲にKCEジャパン所属のL.E.D.LIGHT氏が参加、オープニングムービーのBGM(OVERBLAST!!)と「GENOM SCREAMS」「HELL SCAPER」を制作している。

GOTTAMIXサントラ。GOTTAは「ごった煮」の意味でブックレットでは藤後氏が「TOGO料理長」として掲載されている。

ビストロ”GOTTAMIX”へようこそ

グルメなあなたにお贈りする珠玉の1枚

そのお耳で存分にご堪能あれ

GOTTAMIXサントラ ブックレット
GOTTAは「料理」、GOTTA2は「世界各地の音楽」。つまり、IIDX28 BISTROVERは実質GOTTA3ってわけ
KCEジャパンの面々のカラーが強く出ている。家庭用の権利を他部署が取ってたらTOGOシェフもL.E.D.氏も関わってこなかったかもしれない…

beatmania GB

 ポケットモンスターのヒットによって人気を取り戻していたゲームボーイにもビートマニアが移植された。ポケモンブームで普及していた通信ケーブルを用いた対戦モードもあり、コンボをつなぐと相手側を徐々にHIDDENにすることが可能という独特のルールが採用されている。

 本作は2ndMIXをベースに、GB版オリジナル曲も多数収録されているが、ファミ通の特集記事に掲載されたインタビューでは、ハードの限界からサウンド面をどう再現するか苦労していた様子が伺える。

─ゲームボーイで音を再現するにあたって、いちばん苦労したところはどんなところでしょうか?

岩切:モード選択時などに聞こえる「ドゥザビッチョー」(そう聞こえる)というSEです。これには僕の苦労がつめこまれていますので、みなさんぜひ聞いてください。

週刊ファミ通 1999年3月26日号

週刊ファミ通 1999年3月26日号のbeatmaniaGBの紹介記事。ゲームボーイでプレイする際の運指解説が、かなり細かく掲載されている。

性能がショボくても、当時絶大な普及率を誇っていたゲームボーイで出したかったのか…
今なら「8bitアレンジ!」とか言っておけば逆にウリにできそうだけど…

beatmania for WonderSwan

 1999年3月に発売されたばかりの最新携帯ハードであるワンダースワンにも移植されている。10年前の携帯ハードであるゲームボーイと比べ、ハード性能は大幅に向上しており、音声データをほぼそのまま収録していることから、携帯機でありながら、AC版やPS1版と同等の音質でプレイ可能となっている。これは当時かなりのインパクトであった。

 3rdMIXをベースにしているものの、収録曲数は全11曲でオリジナル楽曲は無い。3rdMIXの楽曲も全曲を収録できていないが、これは音声データが非常に大きかったことが原因である。

 本作のカートリッジは128Mbitロムという超大容量。おそらく本作のため特注されたものであり、ハードメーカー及びコナミの気合が伺える。なお、ワンダースワンカラー版ロマサガ1でさえ32Mbitロムという時代である。

週刊ファミ通 1999年3月26日号の紹介記事。「アッと驚く隠し曲」は用意できなかったが、音質は当時の携帯ハードの水準を遥かに上回る。

普及率は低くても、当時絶大な性能を誇っていたワンダースワンで出したかったのか…
ぱっと見モノクロでGBと似たように見えるゲーム機からAC版並の音が出たら確かに驚くなぁ

ファミ通にスクープ記事掲載

週刊ファミ通 1999年3月26日号。「スクープあり、インタビューあり、攻略もありの、コナミ音楽ゲーム8ページスペシャル」という見出し。

 ファミ通1999年3月26日号では、「特集コナミオトゲー」と題して8ページに亘って特集記事が組まれており、前掲の各家庭用移植作品が紹介されている。

 この時期ファミ通では「ファミ通だからできる!4週連続スクープ」という企画を行っている最中で、「4週連続スクープ第2弾」としてGOTTAMIXの初報が扱われている。

 なお、4週連続スクープの内訳は「DINO CRISIS」「beatmania GOTTAMIX」「聖剣伝説LEGEND OF MANA」「フロントミッション サード」である。

 ゲームセンターの雰囲気を一変させたコナミ発の音楽ゲーム達。ネオン管が輝きウーファーが低音を轟かすそれらのマシンは、あっという間にゲーム業界を席巻した。

 もちろんこの勢いはコンシューマー機にも飛び火し、快進撃を続けている。

週刊ファミ通 1999年3月26日号
CSビートマニアが聖剣伝説と同列に扱われている。さすがミリオンタイトル!

 この特集には開発者インタビューも掲載されているが、beatmaniaGBのサウンド担当の岩切氏が、収録曲を決めるにあたり、ゲームセンターで小学生に好きな楽曲を聞いたというエピソードを明かしている。

 ゲームボーイ版は低年齢層を開拓する狙いもあったのだろうか?また、プリクラや音楽ゲームが設置されるようになり、ゲームセンターの顧客層が大きく変わってきたことも読み取れる。

─アーケード版からの移植曲はどのようにして選んだのでしょうか?

岩切:いろいろな人にやってもらったり。どの曲が好きか聞いて回ったり…。ゲーセンで直接、小学生に聞いたりもしました。そのうえで自分のやりたい曲…ゴホン。何はともあれ難易度、知名度など考えて決めましたので、みなさんの満足できる選曲になっていると思います。

週刊ファミ通 1999年3月26日号
ゲームボーイが再燃したのはポケモンの影響だから、当時ポケモンを遊んでる年齢層を狙うのは順当な判断か
中学生以上の層でもドラクエモンスターズが大人気の時期だったし、ゲームボーイは層が厚い
ゲーセンに行かない幅広い層にビートマニアってタイトルを周知させるって戦略だね

 また、この特集記事では、ビートマニア制作者インタビューも行っており、プロデューサーの岡本浩司氏、ディレクターの寒川祐一郎氏、サウンドチーフの南雲玲生氏の3名に話を聞いている。

 インタビューの中で南雲氏は、作曲者の起用方法について、クラブサウンドとゲームの両方を理解した人物に依頼していると語っている。

─流行った理由とも思われる『ビートマニア』の曲ですが、作曲者の起用はどんな風に?

南雲:クラブ系サウンドの概念を持ったゲーム好きなかたで、しかも、僕らサウンド担当が好きそうな曲を書いてくれる人にお願いしました。かなりシビアな条件ですよね(笑)

 あと、実際に叩いて楽しいか。これが決め手となる重要な要素のひとつですね。

週刊ファミ通 1999年3月26日号
クラブ系サウンドを扱えるゲーム好きな人材…今なら沢山いるような気がするけど…

音楽雑誌が家庭用ビートマニアに注目?

キーボードスペシャル 1999年6月号。音楽雑誌だけに、少しマニアックな点まで触れているのが特徴的。

 音楽雑誌「キーボードスペシャル」1999年6月号に、家庭用ビートマニアの記事が掲載されている。PS1版のスタッフとして藤後氏がコメントをしており、同作の中でも異色の楽曲「NaHaNaHa vs. Gattchoon Battle」誕生のいきさつが語られている。

 この楽曲は、コメディアンのせんだみつお氏と谷敬氏がDJバトルをするという設定であり、この企画を採用するにあたって、藤後氏はこれまでのビートマニアの路線とは異なる楽曲を手掛けたいと考えていたようだ。

 AC版3rdMIXで南雲氏らがJ-POP等を収録するなどジャンル面で収録曲の方向性を模索していたように、家庭用チームの藤後氏もAC版とは別の形で楽曲の多様性を模索した結果、「音を出すことが面白い」という着眼点から生み出されたのが、この楽曲だった。

ビートマニアのプロジェクトが進んでいく中で、アーティスト性を求めて、スタイリッシュな方向にいったり、マニアックな方向に進んでいるような気がしてたんです。なんかそれじゃおもしろくない。くだらないんだけど、ちょっと下世話だったりしてもいいからおもしろいことがやりたくなったんです。

飲み屋で飲んでいる時にふと思いついたアイデアを企画書にまとめてぶつけてみたんですよ。音を出すことにおもしろさがあるビートマニアで、せんださんの「ナハ!」っていうのと、谷敬さんの「ガチョーン」というのが、リズム的にハマるんじゃないかなって思いついたんです。

最初は、みんなおもしろがってくれたんですけど、そのうち、“スベったらどうするの?”つまり失敗したらどうするのかということですね。そんな意見も出てきまして。

でも、自分でやりたいことをやってやろうと思ったんです。結果としてとてもおもしろいものが仕上がったと思います。

キーボードスペシャル 1999年6月号
これまでビートマニアにはネタ曲が存在してなかったから、Togoシェフも作るべきか迷っていたのかー

せんださんもすごくノッってくれて、『できましたか?』みたいな電話を何回もいただいたりもしました

ビデオを回して、お2人に演技してもらって、リズミカルに2人がうまく噛み合う部分をチョイスして、カット毎に編集して合わせました。

ご本人たちにはまだ見せていないのですが、せんださんの画像でかなり遊んでしまいましたから、本人に怒られるんじゃないかな。でも、生のガチョーンをカメラに収めることができたわけですから、僕にとっては一生モンですよ、これは

キーボードスペシャル 1999年6月号

GOTTAMIXオープニングムービーでも一瞬だけ登場するDJ Sendaさん。

 また、藤後氏は家庭用ビートマニアの制作にあたり、今のゲーム音楽はピコピコ電子音じゃないことを広く知らせたいとも語っている。また、PS1版の音飛び防止に関する仕様についても触れている。

信じられないことなんですが、いまだにゲーム・ミュージックというとチープな感じのピコピコ電子音で演奏されているんじゃないかと思っている人が多いんです。

『ビートマニア』では、ゲームの音楽もここまで来てるんだ。もはや、一般音楽と比べて遜色ないレベルで最新のクラブ・サウンドが出せるんだ。という事実を広く知らせたい、という気持ちが強いですね。

キーボードスペシャル 1999年6月号

夢中になってプレイして、プレステ本体が揺れて音飛びしても、プログラム的に補正がかけられて再生がずれないようになっているみたいです

キーボードスペシャル 1999年6月号
8bit音がノスタルジーを喚起する時代はまだ先か
ゲームの音楽も映像も豪華さを追及している時期だからねぇ。FF8発売直後だし

キー音からBGAまで、制作工程が紹介される

 さらに同誌では、「『GOTTA-MIX』の制作過程を紹介しよう」と題し、コンポーザーとの楽曲データのやり取り、加工、BGAの作成等について、実際の制作現場の様子をかなり詳細に紹介している。

 Pro-toolsを活用している等の具体的な内容が書かれており、音楽雑誌ならではといえるだろう。

キーボードスペシャル 1999年6月号。コンポーザーから届いた楽曲データが加工されていく流れが紹介されている。

2021年2月8日放送の「musicるTV」でもPro-tools使ってる映像流れてたし、いまだ現役か!

コンポーザーによってデータの形式はさまざまでした。ある方はDATに1トラックずつ、最初から最後まで通して録音してくれました。それをPro-Tools上にデジタルで取り込むわけですが、どうしても微妙なズレなどが発生したり、ミックスのバランスが再現できなかったりすることもあって、コンポーザーにつきあってもらうこともありました。

Pro-Toolsのマルチ・トラック・データで出してくれる方もいました。こういった場合はデータにする手間はないのですが、トラック数は整理するのに苦労することも多かったですね。

あるいは、松前さんのように、ボタンで演奏する部分と、バックの部分を完全に分けてデータを出してくれる方もいたりして…。これはとてもラクですね。僕も曲を作るときからすでに、どこをボタンで演奏しようかということを考えて曲作りをしています。(藤後氏)

キーボードスペシャル 1999年6月号
文中の松前さんは松前公高氏のこと。「JAUNTY BOUNTY」の作者だね
松前さんはパーフェクトな納品をしてた!
DPを「2人でプレイする譜面」と勘違いしていなければ完璧だった?

 譜面を制作している間に、BGA(画面中央のアニメーション)を作成していく。PS1版VJチーフの八代氏によれば、鍵盤操作とシンクロするように作ることを心掛けていたようだ。

曲を演奏しながら、絵も作り出しているような感覚になれるといいんですよね。自分がこのアクションでこの音を出したからこういう絵が出たみたいにね。

絵の立場からこうしてやろうなんて肩ヒジはらないで、曲のストーリーに身を任せる方がいい結果が出せる気がしますね。

テクノ・ユニットの人気アーティスト、たとえばアンダーワールドやコールド・カットのビデオを見たりしますよ。とくにコールド・カットのビデオはとても『ビートマニア』的だったですね。音を楽しめるビデオというか…。プレイヤーが演奏でキメるだけじゃなく、自分の演奏がこういう絵を引き出したんだ。って思えるような演出を考えたいですね。(八代氏)

キーボードスペシャル 1999年6月号
IIDXの操作に連動して表示されるレイヤーなんかも、この発展形か

 そして、譜面を作成していく作業(キー音を切る作業)についても、譜面データを実際に手掛けた花岡氏がコメントしている。この時代に譜面データの作成について触れている記事は貴重である。

 このコメントによれば、譜面製作者も2P譜面を二人でプレイする前提で作成しており、DPとして遊ぶことはあまり考慮されていないことが伺える。

曲の中で耳に飛びこんでくるフレーズをボタン演奏に割り当てるんです。例えば、バックのピアノが両手を交互に弾くパラディドル奏法だったので、これはボタンにするしかないでしょう、と思いました。単純に5つの鍵盤に割り当てても平坦な繰り返しになってしまうので、ボタンの配置に揺らぎをつけて指の動きをさらにおもしろいものにしました

Pro-Toolsに取り込み、おおまかにバックの演奏と、ボタンの部分を決めた時点で、2Pプレイ(2人でプレイすること)の事を考えてエフェクトをかけつつボタン音を切り出してます

1P(ひとりプレイのこと)データの演奏データができた時点で2Pのことが延長でできるときは、比較的ラクですね。1Pと2Pでなるべくつり合いがとれるように、交互にフレーズを割り当てたり1Pと2Pのアンサンブルを感じることができる箇所も用意するんです。(花岡氏)

キーボードスペシャル 1999年6月号
譜面制作スタッフも、DPを2人でプレイする譜面にする気満々だぞ!
松前さんが勘違いしていたんじゃなくて、当時の制作現場がこういう認識だった可能性が…
最凶のDPH譜面が生み出されてしまうのは必然だったか…

家庭用ビートマニアがもたらしたもの

 ゲーマー以外にもカジュアルなイメージで普及していったPS1や、ポケモンブームで低年齢層を中心に一気に普及したゲームボーイで家庭ビートマニアを発売したことで、ゲームセンターに行く習慣が無い層にもビートマニアを認知させることができた。

「ザ・プレイステーション」1999年12月10日号の「PS100人委員会」ではGOTTAMIXが扱われており、当時プレイした幅広い層の声が掲載されている。

APPENDのセーブデータ上書き問題が早速浮上してる…
幅広いジャンルが支持されてる。GOTTAMIXで収録曲のバリエーションが増やしたのは正解だったね

 後年、ビーマニシリーズに楽曲提供をしていくミュージシャンも、家庭用作品をきっかけにビーマニに触れたと語っている。多くの人に音ゲーを認知させた家庭用の意義は大きい。

kors k:僕は高校受験を控えていた中学生のとき、塾をサボって友だちの家に入り浸っていて。そこで初めて家庭用の『beatmania』をプレイしたのがきっかけですね。

Ryu☆×kors k対談 外部コンポーザーの視点で語り合う「BEMANIシリーズ」の魅力

OSTER:私は小学6年生のときでした。初めてプレイした音楽ゲームは、BEMANIシリーズの「DanceDanceRevolution」(以下「DDR」)ですね。友達が家庭用のDDRを持っていて、やらせてもらったらハマって

Hommarju:僕も小学生ですね。家庭用の「5鍵」と呼ばれる一番最初の作品を買ったのが始まり

OSTER project × Hommarju x P*Lightインスト音楽座談会
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